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労働新聞 2007年3月15日号 通信・投稿
「研修生」外国人労働者の
驚くべき実態
残業代400円、
トイレも賃金カット
愛知県 沢村 光郎
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●ベトナム労働者が提訴
愛知県内には、ブラジル、ペルーなど日系人や、中国、ベトナムなど外国人労働者が大勢いる。その大半はトヨタを中心とする自動車産業の下請け企業の現場で、派遣会社、請負会社に雇われている低賃金労働者だ。
最近、トヨタの下請けT社で実習生として働いていたベトナム人の女性六人が、人権侵害、労働法令違反での謝罪と補償を求めて裁判を起こした。彼女らは二〇〇三年から事業協同組合を通じてT会社の研修生となったのだが、その実態はひどい。
●パスポートを取り上げ
支援者のレポートによると、T社はまず彼女らのパスポートを取り上げ、収入のうち最初の研修期間には二万五千円(手当わずか五万八四百円のうち)、実習期間には四万円(月給十二万二千円のうち)を天引きで強制貯金させ、帰国まで通帳は会社が管理していた。逃亡や途中帰国し、メーカーに損害がでた場合は、費用は預金からあてることになっていたという。本来残業は認められていないのだが、残業代は研修期間がわずか三百五十円、実習期間が一年目四百円、二年目四百五十円だった、という。
さらに、携帯電話は使用禁止、会社の電話の無断使用は罰金一万円、掃除をしなかったら罰金二千円。驚くべきことにトイレの所用時間を書かせ、一分につき十五円カットした! 一部屋に六人が押し込められ、部屋代として一人二万二千六百円もとられていたというのだ! セクハラや脅迫まがいの行為もあったという。
●人身売買同然
彼女らが労基署に申告したので、この実態がT社だけでなく二十三社が加盟する事業協同組合の指示であったことがわかった。業種や就労実態に関係なく実習生の賃金もほぼ同額でしめし合わせていた。ベトナムの送りだし機関からは、農地所有者からは四千四百ドル、非所有者からは八千八百ドルの補償金を取り、労働組合・政党に入らないなどの誓約書を書かせ、協同組合理事長とメーカー社長、送り出し機関代表の三者で合意書をとりかわし、研修生にサインさせていた。まさに人買い同然だ。
政府は外国人研修・技能実習生の単純労働への就労を認めていない。しかし現実には、それを行う「抜け穴」として、この制度が悪用されている。九〇年頃から、この制度の受け入れ要件の緩和が行われ、中小零細企業に外国人雇用が一気に広がった。現在全国で滞在中の研修・実習生は約十六万人、受け入れ企業は約一万五千社あるという。
●派遣会社が研修生を管理
愛知県内ではこの受け入れ機関である事業協同組合などが派遣会社と結託して、実際には派遣業者が研修生を管理し、だいたい時給一千円〜千三百五十円の二割程度をピンハネしている。事業協同組合幹部自らが人材派遣会社も経営している。派遣会社といってもヤクザが経営しているものまである。
それ以外にも、トヨタの下請け企業の中には、派遣会社を通じて不法就労を承知で外国人をこき使っている。あるトヨタの一次下請けのF社にも、数社の派遣会社が入っているが、そこの労働者は半数以上が外国人だ。一月にはネパール人六十人全員が労災事故をきっかけにして全員辞めさせられてしまった。そもそもどのようにして連れてきたのだろうか。このF社は別の派遣会社のブラジル人労働者の労災隠し(足の骨折)でも最近摘発されている。F社は名だたる企業なのだ。
●労働者の生き血で太るトヨタ
トヨタは二〇〇〇年から二度、それぞれ三割の材料費などのコストダウンを行ってきた。下請け企業はこれにこたえるために、低賃金、無権利状態で外国人労働者を使い、雇用をおきかえ、日本人労働者を放り出したのだ。
そしてフルキャストなど大手の派遣会社は今、沖縄、九州、北海道で青年たちに好待遇だとウソをついて求人し、寮費までとってタコ部屋に住まわせ現場に押し込んでいる、こうして労働者の生き血を吸っている。
そして最大の吸血鬼のトヨタの、その二兆円を超す営業利益は、何層にもなる企業群とそこで働く労働者から、底辺では外国人労働者から、価値を吸い上げ積み上げたものなのだ。
これが賃金奴隷制の実態だ!
勇敢にも訴訟を起こし、実態を暴露したベトナムの女性労働者にエールを送りたい。ともに闘っていこう!
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