労働新聞 2007年2月25日号 通信・投稿

安倍サン、国民を
ごまかすつもり?
再チャレンジ策に異議あり

格差是正の名目にパート使うな!

フルタイムパート労働者・中原 純子

 皆さん! パート労働法「改正」はパート差別促進法なのです。
 正社員化されるパート労働者はどこにいるのでしょうか?
 国民の格差拡大への怒りをごまかすために、パート労働者を利用するな!

 皆さん、思い出してください。海外で大もうけするトヨタやキヤノンなどが国際競争力をつけるため必要だと称した小泉構造改革でしたね。小泉サンは「改革なくして成長なし!」と声高に叫び、そのためには「国民の痛みを伴う」とも正直におっしゃっていました。
 大田弘子内閣府特命担当大臣(経済財政政策)は二〇〇二年二月からの景気回復はすでに「いざなぎ景気」を超えたと発言していますが、国民の大多数の経営と生活は困難になる一方です。庶民とは無縁の景気回復であることはもはや明らかでしょう。小泉改革で「成長した」のは、海外で六〜七割をもうける多国籍大企業なのです。もはや、彼ら多国籍大企業にとって日本の国益は彼らの利益ではありません。日本の自治体の経費や国民のための社会保障などはお荷物でしかないのです。

超差別的なパート法「改正」案
 安倍サンは、そんな小泉改革を継承し「成長なくして財政再建なし!」と叫んでいますが、小泉改革の痛みと犠牲を国民や地方に押し付けた結果、格差が拡大し、一握りの富裕層と多数の貧困層へと大きく二極化した現状への対応も(選挙もあるし)迫られています。
 その安倍サンは、開会中の通常国会の施政方針演説で「チャンスにあふれ、何度でも再チャレンジが可能な社会」の構築と題した中で、再チャレンジ支援の目玉商品として「パートタイム労働法の改正」をあげています。
 具体的には、正社員との均衡(均等ではないのです)のとれた待遇と正規雇用への転換の促進とし、九三年にパート労働法制定以来初めての本格的なパート労働法の「改正」になるはずでした。
 ところがです! 一月二十二日、厚労省雇用均等分科会で答申された法案要綱では、ホンのわずかな「正社員的パート」だけが対象となる差別的な内容でした。厚労省は、この「改正」で対象になるパート労働者はどのぐらいいるのかとの質問に、「わからない」と答える始末です。大手スーパーのイオンは社員十二万人の七割がパートですが、「今度の法律改正で対象になるパート社員はいない」と人事担当者は話しています。

非正規労働者の怒り受け止めて
 日本の労働力の底辺を支える千二百万人を超えるパート労働者は、フルタイムで働いても生活保護以下の低賃金、三十年働いても退職金もなければ親が亡くなっても忌引休暇すらない低処遇、賃下げや解雇のときだけ正社員と同じ均等待遇という、まさに差別の中で生活のために必死に働いています。格差是正の名目にパートを使うな! と怒りが湧いてきます。
 二月七日、柳沢厚労大臣発言でストップした審議が再開したばかりの国会に、職場のパートたちと駆けつけました。国会議員も参加した「均等待遇を実現できるパート法を!」参議院内集会で法案の問題点を指摘し、パート労働の実態を訴える怒りの発言をしてきました。
 テレビで政治家たちは、まるでパートと正社員との差別を是正し、正社員化を実現させるためのパート労働法「改正」であるかのような発言を繰り返しています。
 〇七春闘最中の労働組合員はじめ全国の皆さん。安倍内閣の再チャレンジは欺まんに満ちたものであり、その最たるものがパート労働法「改正」であるということを知ってほしい。また、有期雇用のため生活の糧を失う恐怖の中で声を上げることができない非正規労働者たちの怒りを受け止め、組織化へ共に奮闘されるよう呼びかけたいと思います。


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