労働新聞 2004年5月25日号 通信・投稿

「勝ち組」自動車の現場では…

毎日毎日ネジ締めでヘトヘト
人間らしく生きるなというのか

自動車労働者 吉村 晴男

 テレビや新聞が毎日、政治家の年金未払いことを報道している。俺たち労働者は否応なしに給料から引かれる。年金会館、大規模な年金施設は官僚の天下り先に使われ、掛け金が増加して給付が減る。ばかばかしい。職場では、ラインスピードは上げられ、有給も40日あるのに、去年は15日しか休めなかった。残った有給は垂れ流しである。毎日毎日ネジ締めの仕事で、ヘトヘトだ。たまには他の仕事もしたいよ。労働組合はあっても、有給の完全消化さえ実現できない。組合がない会社でも完全消化しているところはあるだろう。コスト削減のためには人間らしく生きるなというのか。会社は過去最高益をあげ、マスコミも「日産の復活」とほめあげるが、これは俺たちがつくったんだぞ。
 「自己責任」という言葉が流行っているが、企業にも、社会的責任というものがあるだろう。失業率が高止まり、生活苦からの犯罪も増えていることに、企業の社会的責任は問われないのか。
 職場ではリストラによる精神障害で労災認定を受ける件数が00年36件、01年70件、02年は100件と増えている。能力主義など賃金体系変更が原因となっていることもあろう。特に職場のストレスが原因のうつ病は、職場に戻って再発する場合が少なくないという。ゆとりがないよ!
 それに、請負や派遣社員が増えている。俺の職場でも四割が派遣社員になっている。正社員に比べ人件費は3割程度安い。請負会社との契約を打ち切ればいつでも人員削減ができる。
 経済的に不安定なフリーター女性の未婚率が高く、結婚後の生活も苦しく、出産に影響を及ぼしているという。総務省「就業構造基本調査」では、02年までの5年間に正社員が399万人減り、非正社員が368万人増えていると書かれている。
 グローバル化とは自国民の首切りだ。 新聞では、企業の中東欧進出が加速し、昨年末137社で3年で倍増したといっている。東欧の安価な労働力、欧州連合(EU)圏や隣接する旧ソ連圏を含んだ巨大市場への足がかりとして、ドイツの大企業の六割が東欧に進出済みだという。
 日産自動車は、南アフリカのロスリン工場で生産するトラックを、05年から欧州、アジア太平洋地域に輸出すると発表した。メキシコとの自由貿易協定(FTA)の合意で、メキシコ向け生産が増加した。農民も大変だろうなーと、ネジを締めながら思う。
 消費税引き上げの話も出ている。会社から、政府からむしりとられるよ。ケツの毛まで! 生活はいっそう不安で将来に夢も希望ももてない。
 「働くもののガイドブック」という本では、「こんにちでは、2時間以下の労働で労働力の価値がまかなわれている。資本主義における搾取の仕方は、このように剰余価値を資本家が自分のものにしてしまうという方法である」と書いている。
 マルクスが科学的に解明し、レーニンがソビエトで貧乏人の天下に導いた。俺たちには、社会主義があるよ。また、俺たちには社会主義がよく似合う! ぼちぼちやろう。おうー。


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