現在22歳で、派遣アルバイトに就いて約2カ月。「派遣」といえば、世の中で騒がれている就労現象だ。その内実がどのようなものであるのか、興味があったこともあり、仕事のついでにさまざまな情報をかき集めたので、それをもとに「いったい派遣のどこが問題なのか、若者が派遣に走る事情は?」をリアルに、私なりに伝えたいと思う。
■派遣アルバイトをやろうと思ったわけ■
これを話せば、あらかたの派遣アルバイターがこの仕事に就こうと思った理由がわかる。
ポイントはいくつかある。まず、就職先がないこと。これは絶対的だ。それに加えて、条件面では、たとえば私が登録している会社では、就労日は自由に決められる、給料は月火木金即日支払い。その他、気軽な服装で出来るからお金がかからないとか、聞いただけでは、何て魅力的な内容なの! ということで、学生やフリーター、主婦などに人気らしい。私は、日常やっている国際交流団体の仕事の予定が不定期に入るため、このシステムに惹(ひ)かれたわけ。
まずは派遣会社との契約。登録会は毎日開かれている。それだけ、派遣アルバイトに対する需要がでかいということか。当日は若者中心に総勢10人くらいは集まっていた。1日だけから長期まで、仕事の斡旋(あっせん)をしているので、人の回転は速いらしい。もうこの人たちと会うこともないだろうと思う。
簡単な会社の紹介ビデオを見て、仕事登録の順序を覚えさせられ、あとは個人面接。これは、たとえば「OA関係ではどれくらいの技術をもっているか」とか「残業はどれくらいできるか」とかを聞かれる。そんなこと言われたって、仕事の内容がわからないから、うんともすんとも言えない。とりあえず、「はあ、まあ、適当に」と、まさしく適当な答えを返しておく。私の主な仕事は倉庫内軽作業。OAなどは、どの程度高度な技術を駆使しなければいけないのかわからないので、そうした。いわゆるガテン系といったところか。体力が資本だ。
■仕事の登録■
2日先の仕事の予約を入れる。どこになるかはもちろん分からない。予約が確定するのは前日の夕方だ。仕事があれば、電話がかかって来て、「明日の何時どこどこなんですが、大丈夫ですか?」となる(すでに仕事の内容がわかっている人は、つらい仕事だと思えば断ることもできるそうだ)。そこで電話が来なかったら、翌日の仕事はない。待って待って、待ったあげくに電話が来なかったなどの話も多い。俗に「今日も蹴られたわー」とか言う。私も一度蹴られた。
今の世の中、仕事がないのは当たり前で、話によれば、とくに年配になればなるほどそういうことが多いらしい。現場作業はけっこうきついので、若者中心、あるいは割と多く仕事を入れる人優先に仕事が分配されるようだ。『毎日、いつでも入れます!』のうたい文句に誘われてやって来たはいいが、そんな保証はどこにもない。これはきつい。
■さて仕事につくと■
ある倉庫への勤務が決まった。他に何人かのアルバイターといっしょに勤務する。もちろん、朝の集合時まで、顔も名前も知らない。集合場所は事前に教えられているが、やっぱり場所がわからなくて、遅刻してくる人もいる。その上、現場までの道先案内のバイトさんが(それもバイトの仕事なの
)道を間違え、朝からダッシュするはめに。到着する前にへとへとだ。
現場にたどり着くと、会社の人たちに、あいさつ。ところがたいした指示もなく、うろうろしているしかない私たち。誰に相談したらいいのやら。とりあえず、休憩所の端っこに荷物を置いて待機する。
今日の仕事内容は、派遣会社からは「ダイレクトメールの封入れのお仕事です」と紹介されてはいるが、どうもライン作業らしい。女性の社員、またはパートのおばちゃんたちが勢ぞろいしている。「はい、じゃー、バイトの人たち、そこに立って!」と言われ、ラインの脇に各自立ってみる。どうするのかなーと思っていると、突然、ラインが流れ始めた。「えっ、えっ?」てなもんである。何の指示もなく、仕事が始まっている。
どうやら、脇に置いてあるお菓子や食品の箱を袋詰めしていくらしい。袋にかさがあるので、背の低い子は大変だ。そこが滞ればレーンが止まる。間髪入れず「早く入れてよ!」と怒号が飛ぶ。
半分泣きそうになりながら、皆必死でそのスピードについていく。数が決まっていたらしく、それを知らない私は、開けてはいけないダンボールを開けてしまい、こっぴどくしかられた。そんなん知るか! といった思いだ。働いているおばちゃんたちの大変さもわかるが、自分の身に起こっていることとは別だ。頭にきた。
いっしょに来ていたバイトの子たちは、ほとんどが学生とフリーター。休憩時間になると、皆先ほどの仕打ちに頭に来ている。「聞いていた仕事と違うじゃない!」ということと、「誰に文句を言えばいいんだー?」ということ。
(続く)
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