20011025

高齢者から学ぶ毎日

利用者の笑顔がうれしい

介護施設職員 柿沢 良二


 私の勤めている職場は、首都近郊にあるデイサービスセンターです。毎日、四十人前後の高齢者が通ってきます。朝は私たちが送迎車で利用者の自宅まで迎えに行き、センターまで来ます。そして、お茶を飲みながら、一日のプログラムが始まるまで、仲間たちと家族の話や、最近の出来事の話題で盛り上がります。
 その後しばらくすると、一日のプログラムの始まりです。午前中は朝の会のあいさつに始まり、体操、そして季節の歌を歌って楽しみます。皆さんは歌がとても好きなようすで、ここで歌い足りなかった人は時間を見つけてカラオケルームで熱唱しています。
 歌のあとは、利用者の待ちに待ったゲームの始まり! この場に熱意を燃やす利用者のなんと多いこと! 自分の順番になるまで待ちきれず出て来てしまったり、うまくできずにすごくに悔しがったり、また、うまくできて大喜びしたり、本気で勝負に挑んできます。これには職員も負けてしまうほどです。
 風船で行うバレーボールや玉入れをアレンジした輪投げなど定番のものから、センターオリジナルのゲームをたくさん用意しており、午前、午後とお昼をはさんでこのゲームを行います。
 そして午後三時になるとおやつで一息ついて、再び送迎車に乗って自宅へと帰っていきます。帰りぎわの「きょうも楽しかったよ!」という利用者の笑顔は、いろいろとたいへんな面もある職員の苦労を一気に吹き飛ばしてくれるほどうれしいものです。

10月からは保険料が負担増

 センターには痴呆(ちほう)の人、脳梗塞(こうそく)などの後遺症で半身が不自由な人や内科系の疾患のある人、それぞれ皆なんらかの病気をかかえています。こういった方々は閉じこもり症候群になりやすい傾向があり、精神的、肉体的にすぐに低下していく傾向があります。私たちのようなセンターはそういった悪循環を少しでも防いでいく大きな役目を担っていると思うのです。
 しかし、介護保険が開始されて一年半、自己負担の金額を気にしながらサービスを受けなくてはならなくなりました。介護する職員への相談も、この内容が非常に多くなりました。そして、この十月からは保険料が全額徴収となります。サービスを受けている利用者は、自分の小遣い、年金から払える範囲でセンターに通ってきます。そのうえ保険料負担というのでは、施設はいっぱいあっても高齢者へのサービスをしたくてもできなくなってしまいます。
 実際、利用日数を減らしたり、送迎車を使わず歩いてきたり、お茶を持参したり、切りつめる傾向が出始めています。こういった改革の方向は、ほんとうに改革といえるのでしょうか。もしかして、高齢者を「ムダ」なものと考えているのでしょうか。
 私たち職員は、人生の先輩である高齢者から多くのものを得ています。高齢者が生き生きと暮らしていける改革を、広範な人びとと築いていく努力を私たちはしていく必要があると思います。

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