20010915

組合が公務員攻撃を容認?
あきらめれば何も守れない

「物わかりの悪い」組合員に

学校事務職員 木下 美恵


 八月二十九、三十日、島根県松江市で開催された「第四十二次全国学校事務職員研究集会」に参加してきました。日教組に結集する全国の学校事務職員の仲間が年に一度集まり、熱い討論をかわしたり、情報を交換したりできる場です。北海道から沖縄まで、各県のおかれた状況の違い、また一つひとつの学校のおかれた状況の違いを乗り越え、意見をかわしあえるのも全国事務研なればこそで、組合に入っていてよかったと心底思えるものでした。
 ところが、これで三回目の参加となる私ですが、なにか今年の集会はちょっと違うなと感じるものがありました。いつもは元気をもらえるのに、逆に不安を抱えたまま地元の仲間に報告をせざるをえないのです。
 日教組事務職員部長から、「現在、公務員のおかれている状況はきわめて厳しい。学校事務職員の立場も同様に厳しい。全国の学校に事務職員がいて、日々教材を購入したり、学校の設備を整備したりと教育条件の整備に努めているが、地域住民にその必要性を説明できなければならない。今までは学校の中だけや、文部科学省などの行政相手にとどまっていたけれども、地域住民にも説明責任がある。また、行財政改革の大合唱のもと、人員削減や評価制度が導入されようとしている。『信賞必罰の人事制度。職能給を廃止し、能力給の導入。能力業績による人事評価制度の整備』といった攻撃には、差別・区別につなげないよう組合として歯止めをかけ前向きにとらえていきたい」と、事実上攻撃容認の発言があった。
 もちろんそれに対していろいろな意見が出された。「情勢の厳しさはわかるが、一般の組合員は非常に不安だ」「すでに導入されている東京都など例にとればわかるように、現場はたいへんになる」などの反対意見もあれば、「積極的賛成ではないが、国家財政の破たんなどをみれば、やむをえないのではないか。むしろ逆に、組合として評価制度の基準をもっていたほうがよい」との賛成意見も出た。
 たしかに連日のように、国家・地方財政の破たん、失業率五%、民間の終身雇用の見直しなどがニュースとなる昨今は、公務員をとりまく状況には厳しいものがあるが、雇用が守られているぶん公務員はよいのではないかという意見もあるかと思う。
 しかし、労働者の雇用も職場環境も「しかたない。情勢だから・」とあきらめれば、何も守れないのではと集会から帰ってしみじみ思うようになった。というのも、小泉自民党が勝利したといわれる選挙が終わるやいなや、健康保険の医療費負担を二割から三割へ引き上げる案や、老人医療も七十五歳からに引き上げる案など、庶民を直撃する改革が目白押しである。
 庶民がしかたないなあと理解を示し、絶対反対だと声をあげないから、また連合傘下の労働組合も闘わないから、どんどん攻撃されるのだと思う。たとえ結果は同じになっても、あえて反対の声をあげたほうがよいと思う。
 私は今まで「物わかりのよい」組合員だったと思うが、これからは「物わかりの悪い」組合員になろうと思う。執行部も、下部組合員のつきあげに苦しみながら、譲るべきところは譲る、しかし譲れないものもあるという姿勢をもって交渉すべきと思う。最初から譲る姿勢をみせては、雇用そのものも守れないのではないかと思う。
 公務員制度の見直しという荒波に立ち向かうには大きな不安でいっぱいだが、それでも負けないという気持ちだけは強くもっていたいと思う。

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