20010705

演劇紹介 ザ・ニュースペーパー

鋭い社会風刺に大爆笑

明日があるさ!! 明日がないさ!!


 ザ・ニュースペーパーはその名の通り、新聞ネタをテーマに世相を笑い飛ばす、男性ばかりの社会風刺コント集団だ。六月に行われた「明日があるさ!!明日がないさ!!」と題した東京公演パート を見た。
 会場には、当日券を求める人たちが列をつくり、開演時間が遅れるほどの盛況ぶりだ。なかなか開演しないことに、後の席のおじさんが大声で、「早くはじめろよ。お客をなんだと思っているんだ」とうるさく騒ぐ。お客も気合いが入っている。コントだけで二時間をどうやって楽しませてくれるのか、期待が高まる。
 やっと開演。松下アキラが演じる小泉純一郎が、「フォーエバー・ラブ」の歌が流れる中でさっそうと登場。つけ鼻で「鼻高々の小泉です」と演説を始め、小泉首相を歯切れく風刺する。「私が演説をまくしたてるのは、中身がないからなんです」「小泉首相を支持する人は拍手をしてください」「いま拍手をした人は、私にだまされている人です。拍手をしない人が正解です」。松下アキラは最近、テレビ出演もこなしている。
 続いて国会の予算委員会の場面。渡部又兵衛が演じる塩川財務相が登場しただけで、「塩じいだ」と会場が大爆笑。鳩山・民主党代表が質問に立ち、田中外相、扇国土交通相も登場。テレビで何度も目にするような場面が、おもしろおかしく再現され、国会がいかに茶番劇であるか、民主党がいかにだらしがないか、大いに笑わせてくれる。
 教科書問題、裏金融、大リーグ、満員電車などのテーマが続く。もちろん、「さる高貴なご一家」の物語も出てくる。これは天皇家をドタバタ喜劇に仕上げたもので、これも大爆笑もの。
 最後に登場するコントは、「永田町スタジオ・ジャパン」というテーマパークだ。このテーマパークは年末には倒産してしまうが、「主演=小泉純一郎…製作費=道路特定財源、地方交付金」というテロップにも大笑い。最後に小泉首相と中曽根元首相、石原都知事が仲良く並んで映し出される。

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 二時間があっという間に過ぎ、大声で笑った後の爽快(そうかい)感が残る。ベテラン陣のパントマイムも上質で、十分程度の短いコントがつぎつぎと登場する進行も、観客を飽きさせない。知的センスも鋭く、笑いを通して社会問題の本質をわかりやすく提供しようという試みは、成功しているといえよう。観客の感度のよさが、公演を大いに盛り上げてくれる。
 社会風刺を笑いで表現するためには、どのような立場に立つのかが問われよう。この点、ザ・ニュースペーパーは会場でのアンケートや現地取材に力を入れ、庶民の声を反映する努力をしているように思われる。蛇足ながら、新聞紙上にはあまり登場しない失業や労働現場などもぜひ取り上げてほしいテーマだ。
 ザ・ニューペーパーは年二回の東京での本公演のほか、各地で公演活動を展開している。批判精神を忘れたマスコミが官製報道を垂れ流し、国会中継がワイドショー番組に登場するようなおぞましいご時世である。こうした時代に抗して存在する、日本で唯一といってもよい社会風刺演劇集団の活躍に期待したい。(U)

ザ・ニュースペーパーのホームページ
http://www.dop.co.jp/

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