自主・平和・民主のための広範な国民連合代表世話人 槙枝元文氏に聞く
新たな日米防衛協力の指針(新ガイドライン)関連法案や金融問題など、わが国の進路にかかわる課題で広範な国民的闘いが求められている。アジアと共生し、対米追随からの脱却、平和で自主的な国の進路をめざして、自主・平和・民主のための広範な国民連合(以下、国民連合)は重要な活動を進めている。この時期、あらためて国民連合の意義などについて、国民連合代表世話人の槙枝元文氏に聞いた。
国民連合は、湾岸戦争の直後の九一年、日本の現状に危機を感じて、国民が政治に対し反撃を起こす、そういう組織をつくって運動を始めなければいけない、と提起したことから始まった。
当時、自衛隊海外派兵、国連平和維持活動(PKO)の問題などが出ているというのに、この危機に対して真っ向から取り組んで行く勢力がなく、政党はむしろ憲法改正だとか、PKO賛成とかに走っていた。大衆運動を見ても、かつてなら労働運動が中心となった大衆運動があり、国会の中では社会党を中心とした野党があって、闘う体制があったけれども、それらがいずれもなくなったというところに非常に危機を感じた。
ますます深まる危機
それから七年、危機はますます深まっている。
世界は米国の一国独裁的な状況にあり、米国の世界戦略がそのまま通用する状態になっている。日米安保条約は、解消してよいのは誰がみても明らかなのに、安保再定義で強化している。安保の「拡大解釈」というが、「日本を守る」から「アジア太平洋を守る」に変わったわけで解釈の範囲を超えている。また新ガイドラインは憲法違反であり、もともとの安保条約違反でもある。関連法案が今度国会で審議されようとしているが、国民の願いである米軍基地の撤去ではなく、むしろ基地強化になる。
日本は太平洋戦争以前の国家総動員的にこれに協力していくという方向にあるが、それに対して、安保条約を解消すべきという声すら国会の中にない。国会、政党を見ると総与党状態である。共産党も「安保棚上げ」といっている。さらにマスコミはすべて官報と同じになっている。
不信任された自民党政治
国内では経済的に、特に中小企業とか一般庶民の生活が非常に厳しい状況になっており、失業者は増え、倒産するという危機的な状況になっている。
銀行への公的資金投入が問題になっている。今年の三月、大手銀行に一兆八千億円を投入したが、銀行は不良債権を消化するのに一生懸命で貸し渋りは解決していない。結局銀行を助けるための資金投入という結果に終わった。だから「資金投入は貸し渋り対策で必要」とかいっても、結局銀行を助けるだけ。なんで高い税金をはらわなきゃならないのかと、国民は見ている。まず、絶対に貸し渋りをさせないという、保証を作るべきだ。
参院選で自民党は敗北したが、これは国民はけっして愚民ではないことを見せつけた。しかし、反自民で結果として民主党や共産党に票が流れただけで、本当に国民の意思を反映しているかというと、していない。
国会議員をみると、党利党略や、どうしたら当選できるかだけで、日本の進路をどうしたらいいのかという勉強をしていない。いわゆる政治が「就職先」になっていて、失業しないために、次の選挙で当選しやすい政党へ簡単に替わっていく。
そういう状況を見たときに、国民が政治離れするのは当然だ。マスコミは無党派層が「政治音痴」のようにみているようだが、そうではない。選挙の時に政党が「日本をどうしていくか」が全くつかめない状況なのだ。だから次の総選挙ではまた投票率が下がると思う。
強大な力持った国民連合に
私は国民連合がつくられて良かったと考えている。これがもっともっと力を持たなければならない。なぜなら、今、正論をいうものが、政党でも大衆団体でも皆無だからである。国民連合は地域では行政に対して行動したり、その地域でいろいろな取り組みをしている。今、まさに国民連合の運動が必要だと感じている。しかし、これはまだ点であって、そうした声を広げていくのは国民連合以外にないと思う。だから、今後組織の拡大をして、そうした運動が国政に反映できるように持っていかなければいけない。大衆運動はなんといっても組織が強大になるほど力になるわけだから、引き続き、賛同人拡大の努力に力を入れる。
呼びかけにも書いたように、組織の原則としては、党派性をもって運動を組織すると大衆運動は破壊こそあれ、大きくならない。そういう意味で、あらゆる党派を超えて、とにかく日本をどうするかということについて思想信条を超えて、真剣な議論をしなければならない。
今後の方針は、十一月の全国総会で決めるが、大きな課題としては、まず、日米基軸からアジアの共生へ大きく転換していくための運動。第二に軍事基地撤去や新ガイドライン反対の運動。三番目には、国民生活の問題で、失業をどう解消するか、中小企業の営業、国民生活を安定させるということに力を入れなければならない。
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全ての政党が安保廃棄を言わなくなった。しかし安保解消が前提にあって、基地の縮小・撤去や新ガイドライン反対となるわけで、私は、安保廃棄を前面に出し、具体的な軍事基地などを考えるという発想をしたらどうかと思う。
安保解消といっても、米国を敵視するのではなく、「日米平和友好条約」を締結し、そして東アジアのいわば安全保障をつくるべきじゃないか。後藤田正晴氏も「安保解消は時間の問題だ」といっており、そういう声はある。
そういう点である声を線、面の組織に拡大して、中央、地方がともに関心があり、そして進路にかかわる問題についての提言なり見解発表なりをして、国民連合が国民の目に見える形をもっていくというのが課題だと思う。