20010515・発言

小泉政権成立の事情と政局について(4)

目前の参議院選挙で社民党は支持しない

会議における大隈鉄二議長の発言



 問題は社民党。社民党ですが、つまり、自公保が過半数を割るような、森か橋本で想定されたような局面、つまり野党が自公保を過半数割れに追い込むというような局面と、それから、野党がやや方向を失ったこの時点ですね。つまり、自民党があまり負けない、あるいはひょっとして、自民党がうんと勝つというような局面が現れた時ですね、社民党自身の消長はどちらが有利だったんだろうかというようなことは、この状況での大局には響かないにしても、考えるに値すると思うんです。
 自公保が負けることを想定した土井の路線というのは、いわば九三年の二の舞いで連立に入るということを想定したものです。それは、この間ずっと村山問題を清算しなかった背景でもあったわけです。それから今度、結局安保反対といわずに、多国間で進めれば安保はいらなくなるという形で出してきた、いわば二刀流の「土井ドクトリン」ですね。どちらにも理解できる。それは確かに、中曽根とは違う。中曽根は日米基軸で、多国間を補助的といっている。多国間ができれば安保はいらないと、基本的なスタンスは中曽根とは違う。
 けれども、当面のスタンスは同じですね。だから、これは二刀流。どちらにも対応できる。左には「安保いらない、解消する方向で努力する」と、こう説明する。こういう手法は、これまでもやられてきたんです。それから現実に連立政権になった時に、「当面の安保は、それはあるんだから仕方がない」といって村山路線に戻る、というようなことは二刀流で使えるわけですね。
 だから、あれを安保反対と受けとって、「路線転換」というのは正しくない。しかし「一歩前進」という話は出るんです。そこのところは問題になります。
 森の状況の延長ということで、自民党が負けるということを想定した時と、今回のようになった時とで、社民党はどちらが有利になるだろうか。つまり民主党がぐっと伸びたほうが、民主党がぐっと伸びるということは、自民党からも取りますが、しかし共産党からだって社民党からだって取るんです。もちろん自民党サイドからうんと取ったにしてもね。
 しかし、今回は自民党があまり減らないか予想よりうんと取る。民主党は振るわないと思われる。前回の総選挙の時も、民主党はさほど取れなかった。したがって民主、共産の敵失で、つまり社民党は両方からそがれるところを、両方の敵失で生き残ったといえる。民主党に対する疑問も出たから、総選挙の頃には。そういう問題を非常にリアルに考えてみて、今回はどちらと踏むか議論を要するところだろう。それから、どこで立ててるとか、どういう候補者か、予測では議論になる。
 しかし問題は、土井社民党の示した、つまり九三年のような局面が出てきた時にどういう態度を表すかというのは、非常に鮮明になったと思うんですね。あれらはやっぱり国民運動、大衆闘争に頼る気はないですね。議会がすべてで、政権の一角に加わることで、生き残ろうとしている。
 昔のように政局を二分して、国民運動を発展させ、これを基礎に、多数派を形成するなんてことはとてもできないから、内向きで議員としての生き残り、それなんですね。
 憲法問題とか何とかいってるのも一種のパフォーマンスで、例えば小沢が戦術的に、自公保をつぶしたくて野党共闘で選挙協定を進めようとする時に、小沢がちょっと「理念は守る」というと、すぐ飛びつく。というのは見え見えで、「小沢さんが理念を守ると言った」というのは、小沢に対する評価ではなくて、小沢はそういう人ですよといって、内側に説明するわけですね。その心はというと、政権の一角に加わりたいということなんです。それがずうっと、(安保問題での自己批判を)延ばしてきた理由ですから。
 だからいまこの局面で、民主党との差も明らかにしなければならないのだろう。この局面で政権に加わることはなくなったが、本質的には、ああいう動揺は続くわけで、土井執行部、もちろん土井だけではないが。村山の時には、多くが「左派」だった。だから、われわれが土井社民党を目前の参議院選挙で、支持するか支持しないかというような問題は、私の考えでは、「見直し」に賛成できない。
 社民党をこの時点で、民主党と同じように批判はしても「同じような」理屈ではよくない。土井社民党が、現状で、参院選に向けての多少のパフォーマンスをやったにしても、小沢も含めて、みんな選挙協力をやっているわけだ。小泉登場までは、連合政権に入る配慮をさんざん取ってきた、これら実際の状況は暴露しなければならない。地方の社民党や労働組合の社民党に対する要求は、実現できないということを言う必要があると思うんです。
 「見直し」の意見は、どちらかというと、力点をこの人たちが「たたいた時に」感情的にどうなるだろうかという心配、これへの配慮ですね。その危険は確かにあるんです。だけれども、私はここでいまの社民党の中枢をたたく理由ですね、小沢と連携しているようないろんなこと、他方で、急きょまた憲法問題ではいかにも左派ポーズを取るわけですが。そういうふうに示した態度や憲法(改悪)反対といっても、現実にそれをつくり出すための態勢、社民勢力の総結集や労働運動と結びついてというような路線、国民運動の組織者、これをとっているのかと。言わねばならない。
 政党は掲げている政策、いろんな発言ではなく、行動で結果を求められる。行動こそが、彼らの真の姿だということを根拠にして、われわれは地方のそういう人たちのいろんな期待も承知しながらも、この土井体制に対して支持を与えることで、われわれ自身も、誤りを犯したくない。社民党の変化を望んでいるこういう人たちに、幻想を植え付けることに手を貸すわけにはいかない。こういうことをはっきりさせるべきだと思います。
 そういうふうにしないと、一時的に社民党の下部の願望にわれわれが同調し、感情をくすぐったとか、慰めるとかいうようなことだと次の局面で、われわれは同罪を犯したことで、信頼をなくすことになると思うんです。
 民主党と同じに扱うというのは従来も言っていませんが、しかし、たたくことが、同じに扱うということとは少し意味が違うと思うんですね。われわれは社民党、社民勢力に見切りをつけたのではなく、同じ戦線での闘いを望み、進めようとしているのです。
 そういう意味で、私は「見直す」という提案は、提起されたうちの、いくつかの側面は考慮するにしても、基本的には受け入れられない。これは私の意見です。
 第一回目に四人が発言しましたから、これで私も含めて五人発言した。一休みしましょう。